さて私はホイールのアルミホイル貼りとスポーク張りに挑戦してみましょう。
最近のバイクは実車も模型も殆どがキャストホイールですから、問題ありませんが、古いモデルのキットやモトクロッサーなどは
スポーク・ホイールをどうにかしなきゃなりません。
どうにかしたい問題は2つあります。
1つは、とにかくスポークの太さ、インジェクション成型の限界ですね。私の好きな1/9ぐらいでも、スポークをキットのまま
組み立てたものは、とても見られたもんではありません(と思っています・・・あくまでも私の見解です)。
これは、グンゼ産業の1/12キットのように、組み立て式スポークにするか、外国のキットやカーモデルでたまに見られる
エッチング・スポーク(これはこれで問題ありますが)でないと、どうにもなりません。
2つめはリムのセンターに、はっきりくっきりとした貼り合わせラインが目立つこと。残念ながらグンゼも同様です。
1ピースのリムにスポークを組んでいくというキットは数少ないメタルキットや、プロターJAPANから以前発売されていた
アルミHリムなどにしか見ることができなせん。
そこで、リムを1ピースに仕上げ、スポークを組み上げていくという、実車さながら?のやり方に挑戦しようという訳です。

↑工具と材料
材料は(1)台所補修用のアルミ箔テープ 裏糊付き。必ずアルミ100%のこと。ポリテープにアルミ印刷した奴は駄目です。
(2)スケールに合せた太さの虫ピン。写真は志賀昆虫製の虫ピンです。または洋白線。0.3mmから0.5mm位をよく使います。
(3)ニップルにする真鍮またはアルミのパイプ(内径0.4mm〜0.6mm 外径0.8〜1.0mm程度)
工具は(4)木か竹のへら。(5)彫金用のすり棒もあると便利です。(6)ピンバイスと(7)ドリル。これも0.3mm〜
1.0mmぐらいまで、スポークとニップルに合せたサイズが必要です。
なくても出来ますが、あると絶対便利なのが(8)電動ドライバー(ドリル)とベースになるプレート。私は「丸いパーツ」の
磨きは全てこれを使います。あとはお決まりの(9)スチールウール、サンドペーパーと(10)コンパウンドなど。
もち論(11)ヤスリ(12)ペンチ等も必要です。
(13)は図面を貼り付けた簡単な治具(後で説明します)。その隣の特殊工具(リーマー)は今回は使いません。
←治具の製作
センターハブとリムを切り離すと芯出しができませんので、
簡単な治具を作りましょう。
リムとハブの大きさの丸に、スポークの本数(殆どが40本)
と、リムとハブの交差の角度を描いた図面をひきます。
昔はコンパスと分度器でしたが、今はパソコンで簡単にでき
ますね。
いい加減に丸く切り抜いたプラ板に、その図面を貼り、センター
にモデルのハブ穴に通る太さの真鍮線(私は2mmを使用)を
垂直に立てて完成。
↑切り離し・穴空け
最初に、左右のホイルパーツを前後輪とも貼り付けます。
そして、リムとセンターハブをバシバシ切り離します。
リムに残ったニップルの後にニップル・サイズの穴を
空けます。
サインペンで描いてあるのは、スポークの方向です。
垂直に穴空けすると組み立ての時えらく苦労します。
↑ハブの整形・穴空け
ハブも整形し、スポーク穴を左右(写真では上下)開けて
おきます。
このBMWはちょっと特殊なホイールですが、普通は
ブレーキドラムからスポークの頭が見えるタイプが多い
ので、美しく慎重に穴空けしましょう。

←リムにアルミ箔を貼る
アルミ箔は大きな曲面はかなり伸びますが、
立体的な急角度の曲げには、許容度が殆どありません。
リムの幅や形状によって、何枚かに分けて貼る必要が
あります。
このBMWは幅広なので、3枚のリボン状のテープを
貼りました。
まず真ん中を貼り、そして左右を貼ります。
←パーツの仕上げ 
テープはへら、すり棒などで、よく擦り付けます。
柔らかなアルミ素材と裏糊の厚みで、なかなか平滑には 
なりませんが、ある程度で我慢しましょう。

電動ドリルに取り付け、粗目のペーパーでヘアライン風に 
磨きます。最後はコンパウンドです。

↓ハブは指定色に塗って仕上げておきます。
←スポークとニップル作り
スポーク用の虫ピン(または洋白線)とニップル用の真鍮
パイプを本数分作ります。普通は40本、前後輪で80本です。
真鍮パイプは硬いのと穴が潰れますので、スポークを通して
から切っていく方が上手くいくようです。
←治具と合せる
治具にハブとリムをセットします。
その際、治具に貼った図面とリム・ハブの穴の位置を合せて
おかなくてはいけません。
ハブやリムの押さえは私は両面テープでやってますが充分です。
←↑スポークを組む
リム穴からハブへ虫ピン(洋白線)を通し接着。
リム裏(外)側から先ほど作った真鍮パイプのニップルを嵌め
込み固定します。
下(内)側を組み上げたら上(外)側に張っていきます。
事前の穴開けがうまく行っていたら、ここは実に楽な楽しい
作業です。
このBMWは特殊なハブですので、上下(左右)を1度に張って
いますが、普通のハブでしたら、2度に分けて上下をひっくり
返して、上側だけを張るほうが楽にはれます。
終わったら、リムから伸びた余計なスポークをカットして完成。
完成です。タイヤを嵌めてみましょう。空気入れをつけるのも忘れないようにね(これはまだ付いていませんが・・・)。